反政府団体によるデモ活動と空港占拠により、タイの国内情勢は混乱の一途を辿っているようです。
2006年、タクシン元首相の退陣と亡命から始まったのがこの一連の騒乱。
政治家としては主に経済政策面で功績を残したタクシン氏ですが、マスコミ弾圧や人権侵害などによって非難されることも多く、最終的には多くの汚職疑惑が発覚したことで失脚、亡命と相成った訳です。
その他にも、中国系であるタクシン氏とタイ人が多くを占める軍幹部との軋轢など、外国人には簡単に理解しきれない複雑な状況もあるようです。
現在のタイ首相であるソムチャイ氏はタクシン氏の義弟であることから、反政府団体(正確には反タクシン派市民団体)が退陣を迫り、今回の激烈なデモ活動に至ったとのこと。
本来なら治安維持を司るはずの軍部は、元々反タクシン派が主流を占めていることから今回の騒乱への介入は非積極的で、そのため政府側は警察を動員して治安維持活動を行わせているようです。
タイ国内の政治情勢は外国人が簡単に理解出来ることでも無いし、生半可に発言出来るようなことでも無いのは確かです。
しかし、空港閉鎖というのは他人事としてスルー出来ません。
実際、現地で足止めを喰らってしまった日本人を含む外国人はさぞや困惑していることでしょう。
ニュースによると、空港占拠が発生した当初は空港利用客にはほとんど説明もなく、空港に置き去りにされたまま一晩を明かしたとのこと。
観光立国であるタイ、それでなくともここ数年の騒乱で観光客が激減していると云うのに、今回の一件で観光事業は壊滅的な打撃を受けたことと思います。
観光客が減って困るのは、旅行会社だけではありません。
ホテルや飲食店、土産物店、観光地、交通機関に係るすべての従業員、そこに納められる飲食物や物品を作る生産者や物流業者、仲介業者ら全ての生活に関わってきます。
タイは東南アジアの物流の巨大拠点の一つでもあります。
空港が閉鎖されると云うことは輸出入も止まるということで、タイから輸出される農作物や様々な物品がすべてストップしてしまうのは、日本経済にとっても多大なる打撃です。
ちょっとスーパーの店先でチェックしてみてください。普段はあまり意識してないかもしれませんが、タイ農作物って日本国内で沢山流通しているんですよ。
よく見かけるのがオクラとアスパラガス、果物などですが、中国産食品の問題が発生してからは冷凍野菜や焼き鳥などの加工食品にもタイ産がよく見受けられますし、海老などの海産物にもタイからの輸入品の多いこと!
もちろん食品だけでなく、タイからは沢山の品物が日本に輸出されており、私たちの生活を豊かにする一助を担ってくれている訳です。
マオも非常に困っております。
実は空港占拠が始まったほんの数日前にタイから荷物が発送されておりまして、その分は無事に到着しているのですが、この状況が打開されないことには今後の入荷予定が全く立たないという。
現地の取引先によりますと、騒乱が起きている場所以外では日常生活に困るほどの状況には無いようで、その点だけは一安心なのですが。
いろいろと複雑な情勢があり、他国人が自分達の都合だけでアレコレ言えるような安易な状況では無いことは理解出来るのですが、騒乱が長引けば長引くほど、タクシン派も反タクシン派も含めてタイ国の経済、タイの人々の生活に多大なる影響が出ることだけは間違い無い。
一刻も早く情勢が落ち着き、「微笑みの国・タイ」が復活することを心から祈っています。
尚、管理人はタイの政治情勢に詳しい訳ではありません。
上記の日記内容については、政治的背景や意図を持っての発言では全くありません。ご理解くださいますよう、お願いいたします。